日銀が、金融機関がクラウドサービスを利用する際のリスク管理上の留意点をまとめたリポートを公表し、インターネット上で様々なサービスを使えるクラウドはコストや導入の手間が少なく済む半面、セキュリティーの確保が課題となっており、銀行の経営陣が「一定の知見を有する必要がある」と指摘しています。
日銀はクラウドの利用にあたり、実効性のあるセキュリティー対策や管理体制のほか、メンテナンスや障害によるサービス停止が生じにくい工夫を求め、「適切にリスク管理をすれば、必ずしもリスクが高いわけではない」と指摘。
金融情報システムセンターによれば、クラウドサービスを利用する金融機関は大手銀行ですべて、地方銀行で8~9割に上り、一部の銀行では預金口座などを管理する勘定系システムでクラウドに移行する動きもあり、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進むなか管理体制の構築が金融機関の経営上の課題になっています。